JFA.jp

JFA.jp

EN
ホーム > 最新ニュース一覧 > アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第78回 高橋秀治 ブータンU-19代表監督・BFFアカデミーU-14/U-16/U-19監督兼アカデミーユースダイレクター

ニュース

アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第78回 高橋秀治 ブータンU-19代表監督・BFFアカデミーU-14/U-16/U-19監督兼アカデミーユースダイレクター

2023年05月26日

アジアのピッチから ~JFA公認海外派遣指導者通信~ 第78回 高橋秀治 ブータンU-19代表監督・BFFアカデミーU-14/U-16/U-19監督兼アカデミーユースダイレクター

笑顔って素晴らしい

私がブータンに来て毎日心掛けていることがあります。

毎日10分ほど笑顔の体操をしてオフィスに向かうようになり、3年目になります。ブータン人は、初対面でもこちらが笑顔で接すると、子どものような笑顔が返ってきます。英語があまり得意でない私でも、笑顔だけでとても親近感を抱きます。言葉以上に笑顔は笑顔を呼びます。今では、アカデミーの子どもたちは遠くからでも大きく手を振り笑顔で挨拶してくれます。私はこの国でたくさんの笑顔に出会い、助けられ、笑顔の素晴らしさを学んでいます。

Football skills and Life skills

私は日本でも練習メニューの中で、獲得させたいFootball skillsのポイントをKey factorとして伝えています。今、ブータンフットボールアカデミーでは、Football skillsの獲得と同時にLife skillsのKey factorを伝えるようにしています。なぜなら、この国の学校教育の現状は教科指導が中心で、それに比べ情操教育や道徳教育などが少ないからです。

私たちはいつもひとつのセッションが終わると、「この練習は人生にどのように生かされているかな?」と質問するようにしています。例えば、10人組でひとつのサークルを作り、その円の中で2つのボールを使って、全員が自由にワンタッチパスを行う練習があります。これはボールが来る前に相手の名前を呼び、コミュニケーションを取るようにしなければボールは回りません。この練習は、フットボールにおいては、周りを見て自分からコミュニケーションを取ること、人生においては、自分から挨拶をすることを学びます。人生とフットボールに必要なスキルとして、どちらにも繋げられるように心掛けています。

Life skillsのKey factorでは、意思決定、責任感、コミュニケーション、創造性や問題解決など、多岐にわたってフットボールが人生の学校になるように努めています。

ブータンでは、このアカデミーを卒業した選手のほとんどが代表選手になっています。だからこそ、3年後、10年後の彼らが代表チームで活躍すると同時に、笑顔と人間性を備えた国民から愛される代表選手であってほしいと心から願っています。

アーカイブ
JFAの理念

サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、
人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。

JFAの理念・ビジョン・バリュー