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【恩師が語る日本代表選手】遠藤航選手 京都サンガF.C. 曺貴裁監督インタビュー

2022年10月13日

【恩師が語る日本代表選手】遠藤航選手 京都サンガF.C. 曺貴裁監督インタビュー

SAMURAI BLUE(日本代表)の一員として活躍する選手の恩師に話を伺う「恩師が語る日本代表選手」。第2回は、ドイツ・ブンデスリーガで卓越したボール奪取能力を発揮している遠藤航選手について、湘南ベルマーレ時代の恩師・曺貴裁監督(現、京都サンガF.C.監督)に伺いました。

※このインタビューは2022年5月9日に実施しました。

絶対に同じミスを繰り返さなかった

――初めて遠藤選手を見たときのことを覚えていますか。

 もちろん。私が湘南ベルマーレユース(現U-18)の監督を務めていた2007年の1月か2月です。(遠藤)航はまだ中学2年生。実は当初、南戸塚中学校(神奈川県)の違う選手を視察するために平塚市内の中学校に足を運んでいました。当時の航は身長162センチくらいだったかな。ひょろっとしたセンターバックだったのですが、ひと目見ただけで「この選手は違う」と感じました。高いボールが来ても、ヘディングでクリアしたりせずに胸でコントロールし、正確に味方につなぐんですよ。姿勢が良くて、ボールをしっかり蹴ることができていました。DFとしての能力よりも基礎技術の高さが目に留まりましたね。もっと見たいと思い、ジュニアユース(現U-15)の練習に来てもらったんです。

――実際に練習に呼んでみて、いかがでしたか。

 フィジカルの弱さを補って余りある基礎技術と判断力を備えていたので、すぐに獲得したいと思いました。中学生の段階であれだけクレバーな選手は見たことがなかった。小中学校で良い指導を受けてきたのでしょうね。ご両親の教育も良かったんだと思います。「自分のことは自分でやりなさい」と言われて育ってきたと話していましたから。

――湘南ユースでは高校1年生から試合に出ていたのですか。

 プリンスリーグ関東1部の第2節から先発出場していました。本来は開幕戦から起用するつもりだったのですが、航は風邪を引いてしまって……。試合会場にも来ることができなかったんです。あのときばかりは「プロになるためには自己管理も大事だ」と叱りました。その後の彼の行動は目を見張るものがあり、翌週の試合に向けて入念に準備していました。第2節の前橋育英高校戦では、後半途中までは持ち前の予測能力を生かし、3年生が主体の相手と互角以上に戦っていました。あの姿を見て「この選手は上まで行く」と感じましたし、実際、以降はとんとん拍子に年代別日本代表まで駆け上がっていきました。

――遠藤選手は高校3年生時に第2種登録選手となり、2010年9月に川崎フロンターレ戦でJ1デビューを果たしています。そのとき、曺さんは湘南ユースの監督からトップチームのコーチになっていました。

 反町康治監督(現、日本サッカー協会 技術委員長)が思い切ってボランチとして先発起用したんです。相手の中盤には中村憲剛選手(当時)と稲本潤一選手が並び、前線にはJ1で得点王になったブラジル人のジュニーニョ選手(当時)もいました。結果は1-6の大敗。ボコボコにされて、航は前半のみで交代しました。それでも、落ち込んで下を向くのではなく、すぐに切り替えていました。監督に何かを指摘される前に問題を改善するのが彼の長所です。驚くほどの修正力を持っていて、絶対に同じミスを繰り返しませんでした。

――曺さんは2012年から2015年まで、今度はトップチームの監督として遠藤選手を指導し、主に3バックの一角で起用していました。

 後ろからボールを運び、ビルドアップにもっと関わってほしかったので、2013年シーズン途中に3バックの中央から右に変更したんです。すると、期待以上の働きを見せ、得点までするようになりました。翌2014年シーズンには7ゴールも挙げています。

――2018年の夏に欧州に渡ってからはボランチとして輝くようになりました。ベルギーを経て、現在はドイツのVfBシュツットガルトで活躍しています。

 イメージは元イタリア代表のセンターバック、ファビオ・カンナバロで、欧州でもその予測能力は通用すると思っていました。ただし、正直、ボランチとしてあそこまで活躍する姿は想像できませんでした。中盤でボールを引き出し、前線にパスを通す能力は見抜けなかった。攻撃的なポジションから後ろにコンバートされる選手はいますが、航は逆。なかなかいないタイプですよね。

――ブンデスリーガではデュエル(球際の争い)ランキングで2シーズン連続(2020-21、2021-22)の1位に輝いています。

 「『日本人はデュエルで勝てない』という考えは違う」という航の言葉を聞くと、相手との競り合いに勝つためには、ただ筋トレをしてパワーをつけるだけではなく、予測が大事なんだと実感します。また、航がドイツで堂々と戦うことによって、日本サッカー界にも多大な影響を及ぼしていると思います。フィジカルに長けた選手でなくとも、生活の中心にサッカーを置き、考えを整理して努力を続ければあのレベルまで到達できることを証明しました。来たるFIFAワールドカップカタール2022は、29歳という脂が乗った時期に迎えます。強豪相手にどれだけ持ち味を発揮し、存在感を示すか楽しみにしています。

FIFAワールドカップカタール2022

大会期間:2022年11月21日(月)~2022年12月18日(日)
グループステージ
第1戦 11月23日(水) 16:00[現地時間] vs ドイツ代表
第2戦 11月27日(日) 13:00[現地時間] vs コスタリカ代表
第3戦 12月1日(木) 22:00[現地時間]  vs スペイン代表

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