JFA.jp

JFA.jp

EN
ホーム > SPECIAL > 最新ニュース一覧 > 【恩師が語る日本代表選手】三笘薫選手 筑波大学 小井土正亮監督インタビュー

ニュース

【恩師が語る日本代表選手】三笘薫選手 筑波大学 小井土正亮監督インタビュー

2022年10月17日

【恩師が語る日本代表選手】三笘薫選手 筑波大学 小井土正亮監督インタビュー

SAMURAI BLUE(日本代表)の一員として活躍する選手の恩師に話を伺う「恩師が語る日本代表選手」。第3回は、稀代のドリブラー三笘薫選手について、筑波大学蹴球部時代の恩師・小井土正亮監督に伺いました。

※このインタビューは2022年4月25日に実施しました。

努力の天才。準備の意識がずばぬけていた

――三笘薫選手がSAMURAI BLUE(日本代表)で目覚ましい活躍を見せています。今年3月に行われたアジア最終予選(Road to Qatar)のオーストラリア戦では後半途中から出場し、2ゴールを決めて本大会出場権獲得に大きく貢献しました。

小井土 特にドリブルから決めた2点目は、筑波大学時代に何度も見せてきたプレーですね。FIFAワールドカップの出場権が懸かった一戦でも自信を持ってプレーしていました。分かっていても、あのドリブルは止められないんですよ。大舞台で三笘の真骨頂を見ることができて、本当にうれしかったです。

――あの2点目のような形は、大学時代から練習していたのですか。

小井土 あの位置、あの角度で、1年生のときから毎日のように山川哲史(現、ヴィッセル神戸)と1対1のトレーニングをしていました。守る方は三笘が何をしてくるか予測できるはずなのにやられるんです。守る方が有利だと思っても、逆を突かれるみたいで……。左サイドのペナルティーエリア付近でドリブルを開始すると、無双状態でした。川崎フロンターレでは「三笘ゾーン」と呼ばれていましたが、その下地は筑波大でつくったのだと思います。

――得意のドリブルに関して、アドバイスすることはありましたか。

小井土 感覚的なものですから、ほとんど何も言っていません。個人練習に関しても、口を挟むことはありませんでした。ただし、試合になると「結果を出してこそ世界に出ていける」とよく話していました。大学時代の三笘は、そこまで点を取ることができていなかったので。本人の中では試行錯誤していたと思いますが、ゴールへの意識も今ほど高くはなく、目の前の相手をかわすことに注力していた印象です。

――三笘選手は大学卒業後、川崎Fで決定力に磨きをかけました。プロ1年目からJ1で13ゴールを記録し、その翌年には活躍の場を欧州に移しました。

小井土 プロに入ってからは、ゴールに向かう強い意志を感じますね。精度の高いシュートを見ていると、技術と感覚がマッチしたんだと思います。もともとキックも独特で天才的なものがありましたから。シュートに関しても努力したはずです。三笘は天賦の才を持っていますが、努力の天才でもありました。

――努力の天才とは。

小井土 「自己改善」する能力にたけていました。壁に当たるたびにそれを乗り越えるために努力し、成長しました。アジア最終予選の大事な試合でゴールを決めましたが、もともと大一番に強かったわけではありません。大学2年時に出場したユニバーシアード競技大会(2017/台北)では軽い捻挫をして出場機会が限られ、U-21日本代表としてアジア競技大会に参加したときには現地のインドネシアで体調を崩して、ほとんど試合に出場できませんでした。ただ、そうした苦い経験からけがの予防に力を入れ、食事にも気を使うようになりました。無駄遣いをすることなく自分に投資し、食事、フィジカルトレーニング、さらにはケア用品まで充実させていました。ほかの大学生に比べると、準備の意識がずばぬけていたのです。

――大学1年時から試合に出場し、要所で活躍していました。壁に当たっているように見えませんでした。

小井土 大学に入学したばかりの頃は精神的に未熟でした。不必要なイエローカードを2枚もらい、試合を壊したこともあります。退場処分を受けた試合の後、チームメートに泣いて謝っていましたが、それ以降は同じ失敗を繰り返しませんでした。

――2年生からは主力として活躍し、3年連続で関東大学リーグのベストイレブンに選ばれました。

小井土 それでも、順風満帆ではありませんでした。本人も「苦しいことの方が多かった」と話していましたから。周囲からは別格の存在という目で見られ、自分でもそれを自覚していました。監督の私も「もっとやれるぞ」と言い続けていました。三笘がその期待に毎試合、ゴールやアシストで応えたかといえば、そうではなかった。厳しいことを言えば、チームを勝たせるほどの働きはあまりできなかったと思います。三笘は毎日のようにもがいていました。川崎F U-18からトップチームに昇格できたにもかかわらず、あえて筑波大に来た男です。なりたい自分像を明確に持ち、目標から逆算して一つ一つハードルをクリアしていきました。現在はSAMURAI BLUEで活躍していますが、泥くさく、地道にコツコツとキャリアを歩んできたからこそ、今があるのだと思います。

――11月に開幕するFIFAワールドカップカタール2022に出場が可能となったら、どのような活躍を期待しますか。

小井土 けがなく、持っているもの全てを本大会にぶつけてもらいたい。多くの人に愛され、応援される選手であってほしいですね。

FIFAワールドカップカタール2022

大会期間:2022年11月21日(月)~2022年12月18日(日)
グループステージ
第1戦 11月23日(水) 16:00[現地時間] vs ドイツ代表
第2戦 11月27日(日) 13:00[現地時間] vs コスタリカ代表
第3戦 12月1日(木) 22:00[現地時間]  vs スペイン代表

大会情報はこちら

OFFICIAL PARTNER
KIRIN
OFFICIAL SUPPLIER
adidas
SUPPORTING COMPANIES
  • 朝日新聞
  • SAISON CARD
  • 大東建託
  • Family Mart
  • JAPAN AIRLINES
  • au
  • Mizuho
  • MS&AD
  • Toyo Tire Corporation
アーカイブ
SPECIAL
NEWS メニュー
JFAの理念

サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、
人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。

JFAの理念・ビジョン・バリュー