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第64回サッカードクターセミナーを東京で開催

2019年03月28日

第64回サッカードクターセミナーを東京で開催

全国の医師・歯科医師を対象としたサッカードクターセミナーが3月16日(土)と17日(日)の2日間、東京で開催されました。東京での開催は2014年以来5年ぶりで、120名を超える参加者で賑わいました。今回のセミナーのテーマは「初心に返る」。1974年に日本サッカー協会に「医事委員会(現医学委員会)」が設置されて以来、40年以上にわたりサッカーのメディカルサポートを行っています。各カテゴリーの代表チームへの帯同ドクターの派遣、各種トレーニングキャンプへのドクター派遣、各カテゴリーの選手に対するメディカルチェック等が主なサポート内容です。この機にあらためて「メディカルチェック」は何故、どういう目的で行うのかを再確認するとともに、初心に返り、代表チームドクターやクラブにおけるチームドクターの方向性を再確認する機会にしました。

初日、「メディカルチェックの項目と意義」を内科系については、順天堂大学循環器内科の島田和典先任准教授が、外科系を筑波大学体育系の宮川俊平教授が講演しました。特別講演は、同宮川先生による「医学委員としての32年間より」というタイトルで、医学委員会の成り立ちから、これまでの医学委員会の活動内容について温故知新として語りました。

2日目は鹿島アントラーズの山藤崇チーフドクターより、「Jリーグクラブチームにおけるメディカルチェックの実際」として、具体例を織り交ぜながら講義を行いました。最後は、宮川俊平先生の司会により、SAMURAI BLUEチームドクターの御園生剛先生、なでしこジャパンの山口奈美先生、鹿島アントラーズの山藤崇先生、徳島ヴォルティスチームドクターの鈴江直人先生、浦和レッドダイヤモンズチームドクターの仁賀定雄先生を迎え、「チームドクターと代表チームドクターの役割~サッカードクターの理想像を模索する~」と題したシンポジウムを行いました。

初日の夜の懇親会では、先のAFC(アジアサッカー連盟)メディカルアウォーズで表彰された福林徹先生、宮川俊平先生、森川嗣夫先生の受賞報告を行い、参加者で祝福しました。2日目の午後は、東京大学農学部グラウンドにて実技実習を行いました。

次回サッカードクターセミナーは10月19日(土)~20日(日)、三重県四日市市での開催を予定しています。

コメント

宮川俊平 先生(JFA医学委員)
1981年から始まったサッカードクターセミナーも、諸先生方のたゆまぬご支援のおかげで今回で64回を迎えました。今回はこれまでに築いてきたシステムのレビューとし、さらに今後のサッカードクターの方向性を考えるセミナーとしました。メディカルチェックの有用性を再認識し、シンポジウムでは、今後のサッカードクターの役割について協議できたかと思います。今後はここまで作り上げてきたシステムをいかに草の根まで届かせるかが今後の課題かと思います。そのためにはサッカードクターセミナーの参加者の先生方のお力が不可欠になりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
次回は三重県四日市市で開催されますので、万障お繰り合わせの上ご参加のほどよろしくお願いいたします。

永房鉄之 先生(浜松医科大学医学部附属病院 リハビリテーション科)
まずは、青木先生、福林先生、宮川先生、森川先生のAFCメディカルアワードでの受賞、誠におめでとうございます。宮川先生の特別講演では、これまで医学委員会が果たしてきた役割、重要性を改めて認識することができました。また私が整形外科研修医の頃、このセミナーに参加し始めた時のことを思い出しました。サッカーのメディカルサポートに情熱を燃やす、多くの先輩や同年代の先生と知り合うことができました。そのおかげで、2017年のユニバーシアード大会(大学サッカー男子代表)に帯同させて頂き、また多くのサポートを受けることにより、金メダルを獲得することができました。島田先生の講演では、循環器系のメディカルチェックが選手の命を守るという意味で非常に重要であることを学びました。また私のリハビリテーション科の立場からも、運動器機能は単に筋・骨格系のみの問題でなく、心機能が密接に関わっていることを常に念頭に置く必要があると考えます。山藤先生の講演も情熱的で興味深く、プロチームに関わる大変さ、予防という観点からはまだ多くの問題があり、エビデンスの構築が必要であると感じました。Jリーグや代表のドクターを迎えたシンポジウムでは、これからの日本におけるプロチーム、代表ドクターのあり方(働き方)で盛り上がり、今後、どのようなスタイルが理想かを考えさせられました。親睦会では情報交換が盛んに行われ、若い先生とも知り合うことができ、大いに楽しめました。次回は実技にも久しぶりに参加したいと思います。

勝谷洋文 先生(戸塚共立第二病院 整形外科)
今回はJFAハウスでの開催で、いつもより参加人数が多いように感じました。講演では内科系、外科系のメディカルチェックについてと、宮川先生からはサッカーメディカルの歴史と今までの活動を聞かせて頂き、多くの諸先輩方のご尽力で、現在のメディカル体制があるのだと実感しました。それでも私が見ているなでしこ2部ではメディカルチェックがなく、宮川先生が仰ったように今後その範囲を草の根まで広げていく必要があると感じました。
2日目は山藤先生から鹿島アントラーズのメディカルチェックの実際に関して具体的事例を提示してもらいながらお話頂きました。最後は楽しみにしていた5人の大先輩サッカードクターによるシンポジウムでした。勤務医と現場帯同の兼ね合いやどのように環境を作っていくかは、おそらく現場に出ているドクター全員が持っている悩みですが、普段業務を頑張って認めてもらうことはもちろんですが、突然死や脳振盪などの話題も世に知られている今、帯同することの意義や価値を社会に認めてもらう必要があると感じました。また、代表と各チームのやりとりなど、今後そのような機会を得ることができれば是非参考にしたいと思いました。
懇親会や実技では、全国の同じ志のサッカーメディカル仲間と交流し、色々な話をすることができ多くの刺激を受け、非常に有意義な時間を過ごせました。今回セミナーで得たことを病院とチームに持ち帰り、何事も前向きに考え、より良いチームメディカル体制を構築していきたいです。
最後に、このような貴重な機会を設けてくださった日本サッカー協会とその関係者の皆様には深く感謝申し上げます。

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